ハロヲタと遠雷

東北のぼっちハロヲタ

和田彩花さん卒業で思うこと

ハロー!プロジェクトのアイドルグループ
アンジュルム(ANGERME)のリーダー 和田彩花さんが卒業を発表しました。

アンジュルムは元々スマイレージ(S/mileage)というアイドルグループでした。

スマイレージのメジャーデビュー時(2009~2010年)は様々な事務所からアイドルグループが次々誕生し、AKBの選挙が全国放送され、K-popアイドルの日本デビューが相次いで

その際『アイドル戦国時代』という造語を初めて使ったのは奇しくも和田彩花さんと同期の福田花音さんでした。

私はアサヤン生まれうたばん育ちのライトなハロプロファンでした。
そして2007年プラチナ期のモーニング娘。に出会ったことと、Berryz工房℃-uteの成長に感激したことでどっぷりと沼にハマっていきます。

そんな私が和田彩花さんをきちんと認識したのは確か2009年のハロコンだったと思います。
『インディーズ活動していたスマイレージがメジャーデビューするらしい』

久しぶりの新グループデビューにハロヲタ界隈はとても盛り上がっていたと記憶しています。

私のハロプロエッグでの推しは福田花音さんでした。
けれど事務所は前田憂佳さんを舞台の主役に抜擢したりHigh-Kingのメンバーに選抜するなどしていたので、スマイレージでも前田憂佳さん推しでいくのだろうと言われていました。

確かに前田憂佳さんは可愛くて人気もありました。が、舞台演出家は福田花音さんを褒めていたのにな…歌なら福田花音さん上手なのにな…という気持ちでモヤモヤしていたのを覚えています。
当時福田花音さんは所謂万能型のパフォーマンススキル、ブログの文才、MCでのトーク、外部舞台への出演等ファンのみならず共演者からの評価も高く神童扱いされていました。

そこで私は(エースとしては推されなくとも、スマイレージのリーダーは福田花音さんだろう、ならばリーダー福田花音を応援していこうかな?)

などと予想していたのですが

蓋を開けてみたらハロプロ界隈でもあまり話題にならない和田彩花さんがリーダーだというではありませんか。



わりとショックでした。




しかしスタイルは抜群ですしなにより美人。
(きっと和田彩花さんはしっかり者で福田花音さんよりスキルがありリーダーシップがとれるのだろう…)

そう思って初めてみたパフォーマンス。

そこで私は度肝を抜かれました。



(この子…めちゃくちゃ音痴だ…!!!!!)



さゆーじあ以来の衝撃でした。



全然音とれてないし、声も震えてるし、声量も無い。吃驚して釘付けになりました。

長い手足を軽々コントロールして跳ねるように踊っているけれど
せっかく可愛いお顔をしているのに要所要所で変顔してメンバーとニヤニヤしているその子は



持って産まれた綺麗な顔と常人離れしたスタイルに全く気づいていない感じというか



無自覚で、無防備で、だけどキラキラと遠くを見ているような目にはとてつもない強さがありました。




2010年メジャーデビューをしたスマイレージハロー!プロジェクトでは久しぶりに華やかなデビューをし、レコード大賞最優秀新人賞を受賞するなど順調に活動していきました。


私の推しは髪を切られシンデレラの生まれ変わりになっていましたが、
ハロー!プロジェクトでは珍しく外部のアイドルフェスに参加をしては新規を引っ張ってくる
『対外戦闘グループ』として、大きな役割を果たしていたと思います。


しかし新規が増えれば現場は荒れます。
ハロー!プロジェクトでは見たことの無かった『ピンチケ』と呼ばれる集団を知ったのもちょうどこの頃でした。

MIX文化を知らなかった私は急に謎の単語を叫び出す男性集団におののきスマイレージ現場に足を運ばなくなります。



決定的だったのは℃スマ紺でした。
℃-ute目当てではありますが久しぶりにスマイレージも見れるなあとワクワクしていた私の心は
通路を挟んで右側にいたゆうかりんの名を絶叫し続けるピンチケ集団により急速に冷めました。

隣の矢島舞美さん推しの紳士が席を交換してくれなければ帰っていたかもしれません。

MC中も騒ぐピンチケに前田憂佳さんが悲しげな顔をしていたのを覚えています。
しばらくして℃-uteの武道派集団()がピンチケ集団に注意をしにきて
MIXしまくるピンチケの声はTeam℃-uteのうりゃおいが掻き消してコンサートは終わりましたが

私は(もう二度とスマイレージ関係の現場には行きたくない)という気持ちでいっぱいでした。

もちろん新規が全員ピンチケというわけでは無いし
古参のマナーが全員良いかと言われれば違います。
(確か○○がんばらなくてもええねんで!のイベントでマイクスタンド持参で来てもめてたのは古参のハロヲタだったし)

それでもハロプロ以外のアイドル現場はPerfumeくらいしか経験が無かった私にとって
ピンチケという存在は恐怖だったし、このままの状態が続くなら応援は出来ないと思っていました。


しかし順調だったスマイレージにも変化が訪れます。

最年少歌唱メンの小川紗季さんが急に卒業発表をしました。卒業コンサートは無く発表から3日後、予定されていたイベントで活動終了となり

2期メンバーが決まりこれから…という時に一番人気の前田憂佳さんが卒業を発表したのです。



この時の前田憂佳さんのブログは賛否両論ありますが、私はこの時初めて前田憂佳さんという人間の頑固さや青臭さにときめきました。
それと同時に周りがほっといてくれない人生の苦しさを思いました。
彼女がひとつでも多くの『普通』を手に入れられてる今であればいいなと思います。

こうして最強と言われた4スマ時代は1年ちょっとで終わりました。




それからオリジナルメンバーの和田さん・福田さんと2期メンバー4人は『どん底期』と呼ばれる時期に突入します。
そしてこの6スマ時代こそ私がスマイレージにハマった時期です。


可愛い路線だった4スマ時代は声が高めで甘い歌い方のオリメンに合わせた楽曲でしたが
そこから子役出身田村芽実さんの舞台歌唱、エッグ出身の竹内朱莉さん・勝田里奈さんの台頭
さらにポンコツだと思われていた一般枠中西香菜さんが舞台を経て低音ボイス使いとなり、2期が順調にスキルメンとなったことでグループとしての質がぐっと高まり、楽曲も幅が広がりました。

そこには歌が苦手だった和田彩花さんの急激な成長もありました。
デビューからボイストレーナーの菅井秀憲先生に師事していた和田さんはとてつもない進化を遂げていったのです。4スマ時代歌割りが一番少なかった和田さんが歌唱メンとしてパフォーマンスする様は島鉄雄を彷彿とさせました。それほどに凄まじい変わりようでした。
それとともにピンチケ集団は減り、現場でのトラブルも無くなっていきました。

2年かけて47都道府県制覇をし、地獄の21連勤を乗り越えた6人のスマイレージの強さに(スマイレージをもっと応援していきたい)と切に思いました。
(この6人のために現場に行こう)と思えるくらいスマイレージが好きになっていたのです。





そんな時決まった『新メンバーの加入』と『グループの改名』



どういうことだよ!!!!!!!!!!!!!!



てなりますよね。そうです私もなりました。
でもやるんです。そういう事務所です。



スマイレージは『アンジュルム』へと改名し
3期メンバー室田瑞希さん佐々木莉佳子さん相川茉穂さんが加入し
私の推しは2015年卒業を決めました。

この時がほんとにめちゃくちゃ複雑な時期で記憶が飛び飛びです。
アンジュルムの楽曲は格好いい路線になり、つんく♂曲は殆ど無くなりました。つんく♂信者には悲しい展開です。





かにょんからまろへと進化した私のお姫さまは卒業までとてもめんどくさく、けれどハロプロへの愛を惜しみ無く、彼女の学生でいられる時間までもを捧げて尽くしてくれました。



ほんとにほんとに好きになって良かったです。



卒業する時

『彩花のことは、正直、“なんでこんなにヒョロヒョロしている子がリーダーなんだろう”って思いました。
目立ちたがり屋だった私は、目立つ仕事がいっぱいまわってくるリーダーがうらやましいなって思ったりすることもあったけど、今になってすごくわかるんだ。

絶対に私には務まるはずはなかったなって思います。

アンジュルムのリーダーはあやちょにしかできないなと思います。

あやちょと私は本当に磁石のNとSで真逆なんだけど、なぜか一緒にいると落ち着いたり、しっくりきたりします。
一緒に過ごした11年間、本当にいろんな苦楽を共にしてきましたね。
わからないことだらけのデビュー当時が、昨日のことのように鮮明に蘇ります。

4人でスマイレージとして、華々しすぎるほど華々しくデビューしたとき、まさかこの2人が最後まで残るとは思っていませんでした。
そして、こんな波乱万丈なアイドル人生を送ることも想像できないぐらい、華やかなスタートを切らせてもらったよね。

毎日、マネージャーさんに怒られて、ワンワン泣いていたよね。

初期メンバーの2人が卒業したとき、「2人でスマイレージを守っていこうね」と言った約束は果たせたんじゃないかなって、私は思っています。

2人でスマイレージを守り続けてきて、2期メンバーに継承できて、3期のメンバーが加入して、アンジュルムとして再始動して、今とっても勢いがあるアンジュルム

このグループを去ることに寂しさはありますが、不安はまったくありません。』

と福田さんから和田さんへ言葉が贈られました。

不安は全くない、と言い切る福田さんに
和田さんへの絶大な信頼を、二人の絆を感じました。


たった一人のオリジナルメンバーとなった和田さんは、以前にも増して鬼気迫るパフォーマンスをしステージで一際輝きを放つようになりました。


その間上國料萌衣さん・笠原桃奈さん・船木結さん・川村文乃さんが加入し田村芽実さん・相川茉穂さんが卒業しましたが、和田さんはツアーごとに言います。

「今のアンジュルムに自信しかない」と。


この言葉に私は何度もときめき、それと同時に『自信しかない』と言い切る言葉の裏にある努力を思うのです。


私にとって和田彩花さんは推しではありません。


けれど、彼女の存在や努力や感性によって生まれたであろう現ハロー!プロジェクトへの影響を思うと涙が出てきます。

アンジュルムとして夢をみてくれていた気持ちに


『卒業後もステージに立ち続けたい』と思ってくれた勇気に


卒業まで1年間の猶予を作ってくれた優しさに


和田彩花という人間をみて泣けてくるのです。







だからこそ
彼女と彼女のファンにとって卒業までのこの1年間が
どうか素晴らしいものでありますように